2015年9月23日水曜日

DAP紹介(3) NW-M505

ハイエンド続いたのでエントリーモデルの紹介です。
1台持っておくと便利。スティックウォークマンです。



NW-M505 スペック
OS:不明(組み込み用OS?)
CPU:不明
RAM:不明
ストレージ:16GB(SDなどで拡張不可)
電池容量:不明
外形寸法:85.5×21.3×19.9mm
重量:40g 表示:3行表示有機ELパネル
操作:ジョグダイアル+ハードキー(4個)
再生動作時間:15時間(レシーバ使用時10時間)
DAC:アンプと一体型のS-Master MX
ヘッドホン出力:シングルエンド, 10mW+10mW(16Ω)
ライン出力:なし
デジタル出力: なし
Bluetooth:レシーバー機能 A2DP(SBC,AAC,apt-X)/AVRCP/HFP/HSP
再生フォーマット:mp3,wma,ATRAC,wav,AAC
(サンプリング周波数:44.1k/16bitまで対応。ハイレゾ再生不可)
エフェクタ:イコライザ5バンド、クリアフェーズ、クリアベース
その他:FMラジオ、デジタルノイズキャンセル(専用のマイク端子付きイヤホンが必要)

ルックス
スティック型の小型ウォークマンで色は4種類。写真は黒ですが銀、紫、ピンク(?)があります。
(紫買えばよかった・・・ちょっと後悔)
ジョグダイアルはクリアパーツで出来ていて高級感があります。
有機ELディスプレイは明るく視認性も良好です。
背面にクリップが取付可能で服のポケットなどに止める事が可能です。
形が正方形を長くしたような感じなので、ポケットに収めるとコロコロと動いて少し収まりが悪いです。

ハードウェア
Androidではないので性能的な内部スペックはあまり意味はないでしょう。
ストレージは16GBと少なめですが、本機はBluetoothレシーバーになるという大きな特徴があります。
このお陰で16GBの容量はそれほど気になりません。スマートフォンと繋いでレシーバとして使えば高音質なレシーバーとして利用可能です。むしろこの使い方がメインではないでしょうか。
この大きさでS-Master MXを搭載していてエントリーモデルらしからぬ高音質です。
ウォークマンとしては尖ったスペックはありませんが、強力なノイズキャンセルなど手堅くスペックが固まっていて使いやすさと高品質の両立が出来ています。
ちなみにエフェクタはレシーバ機能時には使えません。ノイズキャンセルのみ使えます。
オマケのようにFMラジオが付いていますが、ほとんど使ってないのであまり感度とかは分かりません。
ノイズキャンセルは専用の集音マイク付きイヤホンを繋いだ時のみ使えます。(付属)
これがまた特殊で5極プラグです。
このプラグにどんだけ端子追加するねん!と言いたくなりますが(笑)
しかしこのプラグが刺さるジャックに普通のステレオミニプラグが繋がるので不思議です。
並べるとこうです。
なんかこれでL/R/GNDがちゃんと繋がるのか微妙に心配です。
ジャックが分解出来たら是非構造を見てみたいです。


ソフトウェア
電源オフからの起動は5秒程度。汎用OSを搭載してないせいか起動はとても高速です。
前回終了時の状態を覚えていてレシーバモードであれば電源オンでホストと接続します。
プレイヤーは可も無く不可も無くといった所で、特に不満も無ければ特徴もありません。
音楽ファイルはMedia goで転送してもいいですが、普通にファイル転送でコピーでもOKです。
再生はフォルダ単位で再生出来ます。”一つのフォルダ再生終わったら次のフォルダを再生”も出来ます。
(これ最近のAndroidウォークマン出来ないんですよね。なんでだろう)
また一部のイヤホンセットに特化したプロファイルを持っていて、それに合わせた音質調整設定が可能です。

音質など
感度いいイヤホンでもホワイトノイズは皆無
音質はZX1と似ていて全体的にハキハキしていてクリア。普通にいい音です。
高域、低域の感度がいいので少しドンシャリに聞こえます。
高級な音?には感じません。この微妙な雰囲気がS-Master MXとHXの差なのかもしれません。
(それとも出力に大きめの負荷抵抗でも繋がってるんでしょうか)
ウォークマンとしての再生品質は上々でしょう。値段以上にいいものです。
ではもう一つのBluetoothレシーバーとしての音質はどうか?
Bluetoothレシーバーはいくつか購入しましたが(有名なのはMW600など)、どのレシーバーでもホワイトノイズに悩まされ「無音」というものはありませんでした。
ところがこのM505、ホワイトノイズは全く聞こえません。
正直これは凄いです。長年探していた理想的なレシーバです。素晴らしい。

M505はS-Masterのおかげで音質はとても明瞭。電池持ちもとてもいい。
スマートフォン本体に有線接続するよりもM505で無線接続する方が音がいいと感じると思います。(あくまでも”普通の”スマートフォンで、ですが)

ではM505でウォークマンとして再生するのと、スマートフォンからレシーバとして再生するのはどう違うか?
スマートフォンで再生する音楽ファイルをM505にも転送して聞き比べてみました。
送信用スマートフォンはXperia Z UltraでA2DPコーデックはapt-Xです。

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Bluetoothで音楽を飛ばすとSBCやapt-Xなどの「非可逆圧縮」で音質劣化を起こすため、スマートフォン本体にイヤホンを有線接続した方が音がいい場合が多いのが一般的です。例外的に再生ファイルがAACフォーマットでA2DPをAACで伝送できる場合のみ、レシーバーの仕様にもよりますがAACのストリーム転送と同じになるので最も理想的な伝送になります。(iPhoneが出来るはずですが持ってないので分かりません)
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結論から言うとM505で再生する方が音はいいです。当たり前ですね。apt-Xのエンコードが無いのですから。
Bluetoothレシーバーとして聴くとM505再生より音が全体的に曇った感じになります。
もっともこれは「聞き比べ」をして初めて分かる違いです。普通に使う分には分からないでしょう。
(ハイエンドDAP&高級イヤホンの高解像度の音に耳が慣れてしまうと否応にも分かってしまいますが・・・)

あとはノイズキャンセル。
Sonyが誇るデジタルノイズキャンセルは「凄い」です。何が「凄い」というと電車などで耳障りなゴーという騒音のみを打ち消すノイズカットレベルが凄いです。数世代前のアナログノイズキャンセルとは比較になりません。笑うほど綺麗に消えます。オバチャンの甲高い声はキャンセル出来ませんが。
またノイズキャンセル特有の圧迫感がほとんど無いのもポイントです。
専用のマイク付きイヤホンが無いと使えないため、音質に拘るイヤホンを使えないのが欠点です。
またノイズキャンセルを使うと消費電力も増えてしまい電池持ちが悪くなります。

音質とのトレードオフですね。

気になる点
割とベタ褒めの本機ですが気になる点はあります。
まず充電端子のMicro-USB端子。
充電の度に結構硬いカバーを外さないといけません。またこのカバーが軟質プラスチック?のようなもので耐久性に難アリです。長期間使用しなかった際に硬質化して割れてしまうのではないかと心配です。
次にはBluetoothの再ペアリングが遅い。スマートフォンのBluetooth有効にしてからM505の電源入れると繋がるまで30秒以上掛かる場合があります。(たぶんこれはスマートフォン側の仕様も絡むと思います)
他にはウォークマンとしての対応ファイルにflacがない。Apple loslessもだめ。可逆圧縮フォーマットが使えないのが少し残念です。
あと、あまりする人はいないと思いますがヘッドホン出力をヘッドホンアンプなどのライン入力に繋ぐと「ジー」というノイズが出る事があります。ハイインピーダンス駆動には向いてないのかもしれません。

総評
低価格(これを書いてる時点で1万ちょっとで購入できます)ウォークマンとしても、高性能Bluetoothレシーバーとしても優秀だと思います。
軽いので持ち運びも荷物になりませんし、ストラップ付ければ首掛けも可能です。
ノイズキャンセルも圧迫感少なく実用的なので「音質に凄い贅沢」を求めなければオススメです。

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