2015年9月11日金曜日

イヤホン紹介(5) K3003 その1

前回更新から少し間が空きました。
また更新していきます。

お次はAKGのK3003。10万オーバーの超高級イヤホンです。

型式 密閉3ウェイ・ハイブリッド型
出力音圧レベル(感度) 104dB/mW
再生周波数帯域 10~30,000Hz
最大入力 15mW
インピーダンス (イヤホンでインピーダンス8Ωは珍しい)

AKGは何故か中堅機(N20)からいきなりこの超ハイエンドになります。
4~5万クラスのハイエンド機が無いのは納得できる製品が出来ないということでしょうか。
筐体はステンレス。10万超えるイヤホンは多数のマルチドライバーを組み込んで音作りしているものが多い中、K3003はダイナミック1機+BA2機というハイブリッド型です。
スマートなデザインで見た目も凄くオシャレです。

ノズル部分の金属フィルターが交換出来るようになっていて、高音ブースト、低音ブースト、バランスの3つから選べるようになっています(実際には各フィルタでBAとダイナミックの部分を塞ぐような形で音質調整してるみたいです。低音ブーストを付けるとほぼBAの音が聞こえなくなりダイナミック1機のような音になります)
ネットワークフィルタの様な構造ではないのは好感が持てます。

このクラスの値段のイヤホンなのにケーブルが交換出来ないのが最大の欠点でしょうか。
その代わりにケーブルをshure掛けせずにまっすぐ装着できる貴重なハイエンド機です。
ケーブルは布巻してあり、タッチノイズ対策もよく考えられています。細く、しなやかですが絡みにくく使いやすいケーブルです。(太さ的にOFCリッツ線でしょう)反面、プラグが細くハウジング部分が外れやすいのが欠点です。量販店のデモ機なんかだとよく外れてるのを見かけます(泣)

肝心の音ですが、もうこれは・・・最初聞いたときにため息がでました。
透き通る高音、量があるのに上品な低音、艶やかなボーカル。今まで聞いたどのイヤホンよりも衝撃的でした。特に中音のボーカルの艶やかさと高音の切れのよさで異様なまでに高解像度を感じます。このイヤホンじゃないと聞こえない音があって驚きました。
とにかく音のバランスと透明感が凄い。モニターライクとかではなく、音楽の世界にのめり込める、うっとり聴けるそんな音です。まさに「美音」と呼ぶに相応しい音です。

また音場は広いですがEX1000ほど広くありません。バランスの良さでまったく気にならないのですが、音像がしっかりと定位するせいか音が全体的に近く感じます。
低音寄りのヘビーロックのような音は苦手です。なんというか、なんでもかんでも上品に再生するのでヘビメタのような歪みの多い(悪い意味じゃないですよ)楽器を多く使い、荒々しさを表現する音楽は妙な部分だけ目立ってしまい変わった聞こえ方します。ディストーションギターのアームダウンだけ妙にくっきり聞こえたり(笑)

イイコトばかりでも無く、インピーダンスが8Ωとスピーカ並に低いため駆動できないプレイヤーも多いです。
音は鳴りますが、本来のK3003の鳴り方は楽しめません。K3003にはK3003iというiPhone向けのモデルもありますが個人的にはありえないモデルです。Androidスマホでも聞いてみましたが「良いけど10万超えの音してないよね?」みたいな感じになります。
ドライブさえ出来れば困ったことにK3003はアンプの善し悪しを分からなくするほどいい音で鳴らしてくれます。ディスクリートアンプとOPアンプ一石のHPAを聞き比べてもあまり差を感じないという、いいのか悪いのか分からない現象がおきます(笑)何聞いてもいい音に聞こえてしまうとんでもないイヤホンです。

低インピーダンスで高感度なのでプレイヤーのホワイトノイズが聞こえてしまうのも困りものです。メインに使っているNW-ZX2では結構ホワイトノイズが聞こえます。ポータブルアンプのPHA-3では聞こえません。

あとは・・・イヤーピースについて。
通常カナル型のイヤホンはイヤーピースでかなり音質の変化があります。
K3003も同様でイヤーピースでかなり変わってきます。
元々付属にコンプライのスポンジチップが付いているので、こちらに変えると遮音性が上がりますが全体的に音が大人しめになり解像度が落ちたように感じます(柔らかくなる、感じなのでこちらの方が好みの方もいるのではないでしょうか)
シリコンピースはSonyのノイズアイソレーションやダブルフランジなどいろいろ試してみましたが、結局標準品が一番しっくりきます。(というかK3003の標準ピースって取り寄せでもかなり高いですね・・・)

最大のネックはやはり価格でしょう。記事作成時点(2015/9)で14万以上の値が付いています。
海外製なので円高円安の影響をかなり受けるため、故障時に自分で対処できるのであれば海外通販で購入するのもアリでしょう。結構安く買えます(それでも$900は掛かりそうですが・・・)

とまぁベタ褒めのK3003ですが、使い込んでるとこれはこれで不満が出てきます。
というわけでその2へ続きます。

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