2015年6月7日日曜日

イヤホン紹介(4) MDR-EX1000

まだまだ続くよ。イヤホン話(笑)
いくつ買ったのか正直怖くなるけど気にしない!
お次は日本が誇るSony製品。MDR-EX1000です。



型式 密閉ダイナミック型
出力音圧レベル 108dB/mW
再生周波数帯域 3~30,000Hz
最大入力 200mW
インピーダンス 32Ω
(何気に最大入力200mWってイヤホンでは結構凄いです)

ケーブルがイヤホン根元から交換出来ます。
ボディはSonyお得意のマグネシウム合金でアルミやステンレスでは出せない質感があります。
丸い部分がドライバーで16mmという大型のダイナミックドライバーです。
液晶ポリマーフィルム振動板、とかいうのを使っているそうな。
再生周波数帯域が凄いです。30kとか聞こえないよ(笑)

各地で高評価なので今更感はありますが、敢えて今更ですが書いてみます。
Sonyのイヤホンはイマイチ好きになれない(なんか言い方悪いけど音がモコモコしててすっきりしない)部分があり敬遠していたのですがEX1000は別格でした。
(もっともそれがSonyの音作りなのかもしれませんが・・・)
音はダイナミックとは思えないほど高解像度かつ繊細で、音場が広いです。
音場の広さは半端なく、正直これ以上広い音場を持つイヤホンは聞いたことありません。
大型のヘッドホンを付けたときのような、遠くで鳴ってるような音まで再現します。

とまぁどこの紹介でもベタ褒めなんですが、個人的にEX1000は物足りなさを感じました。どうも音が広がりすぎて主体となる音(楽器)がはっきりしない。ピアノの響きに耳を傾けたいのに、遠くにあって存在感を感じにくい。
ボーカルも艶やかで艶めかしいのですが、曲によっては妙に近くて伴奏と離れすぎて「近い,近い」みたいな部分があり、本来の録音ってこんなイメージなんだろうか?と考えてしまう時があります。
要は楽器が主張してくれないのです。 ゴージャスだけど物足りない、そんな感じです。

あと欠点は装着方法でしょうか。
耳から飛び出し部分が大きいので風きり音がかなり出ます。
遮音性も少し悪いようで電車で使う時には音量に注意です。
そういうわけでEX1000はしばらくお蔵入りになっていました。

ふとした事からEX1000でMMCX対応のケーブルを使える様にできるアダプタの存在を知りました。
EX1000はリケーブル出来るのですが、Sony専用コネクタだったのでサードパーティや自作製品については半ば諦めていました。(この頃はケーブル変えて音が変わるという事自体をあまり信じてなかった)
EX1000は姉妹品にEX800STがあります。こちらのケーブルは取り寄せでもそれほど高くなく、このケーブルからコネクタ部分だけ抽出してMMCXへの変換アダプタを作ろう、というものです。
こんなの。


イヤホンの改造はいろんな所が請け負ってくれますが、このような樹脂成形品を作ってくれる所はほとんどなく今回はE4UA様の方にお願いして作成を依頼しました。
ケーブルは音の傾向から高音をより強調出来て音像がはっきりする・・・事を期待してAUDIOTRACKのRe:Cable SR3をチョイスしました。

※プラグは都合により改造してあります

ケーブル交換による効果はスピーカでは割と顕著ですが、イヤホンの様な短いもので効果があるのかは正直疑問に感じてました。
半信半疑で聞いてみたところ、これが大当たり。
楽器が、ボーカルが、超リアルです。元々の高解像度もあってバランス破綻することなく、各楽器の音色がはっきりときこえます。元々にあったもやっとした感じが払拭されたイメージです。
コレは凄いです。EX1000はケーブルで大化けします。
考え改めました。イヤホンもケーブルで音質激変します。(激変の度合いは個人差が(ry

ただ元々のEX1000のケーブルも決して低品質ではありません。スペックだけなら高純度7N-OFCリッツ線とありますので純度99.99999%の無酸素銅のケーブルです。普通イヤホンには使わないような高級品です。
Sonyもこのケーブルとイヤホンでこの音作りというチューニングなのでしょう。リケーブルはSonyの音作り気に入らないからケーブル変えたら好みになった、と言えます。
(個人的にはリッツ線というのが駄目なんだと思うんですけどね・・・被覆がないのでケーブル細く出来て取り回し優先というのは分かるんですが、どうしても断面積などを考えるとケーブルとしては銅面積が少ないので電気的に不利であるように思います)

ちなみにリケーブルに使ったSR3は普通にSHUREなんかのイヤホンに使うと高音が出すぎてキンキンします。
他にもいろいろ試しましたが、リケーブルの話はまたの機会で。
これだけでいろいろ紹介できてしまいます(電線病ですね!)

あと写真のプラグみて分かるとおり、バランス接続対応にしています。
これもまた別途紹介しますが、EX1000はバランス駆動すると無茶苦茶高音が出るようになります。
もう元々の音の面影なんて何処にもありません(笑)

Sonyは後継にZ5A3なんかを出していますが、どれもダイナミック+BAのハイブリッドなんですよね。
正直なところ、上記ケーブル交換を無しと考えてもEX1000の方が好みです。
Z5やA3にも良いところはありましたが、買い替えは一切思いませんでした。
Z5に至っては「これで6万超えるの・・・?」とかなり首を傾げたくらいです。
ハイレゾという、聞こえない帯域までの再生能力に拘りすぎて音作りが迷走してるようなイメージを受けました。
ハイレゾロゴなんかいらないから、EX2000の登場を心待ちにします(笑)

イヤホン紹介(3) Westone3

お次は海外製。WestoneのWestone3です。
既にメーカリンクはありませんでした。
現在手元に無いためこれも写真がありません。ごめんなさい。

型式 3wayバランスド・アーマチュア型
出力音圧レベル 107dB@1mW
再生周波数帯域 20~18,000Hz
インピーダンス 30Ω

こちらも3wayドライバです。
先のCK100PROに比べ本体が小型で軽く扱いやすいです。
スペックも似ています。

音はオーディオテクニカの製品に比べると全然違います。
まず一聴して感じるのが「すごい低音感だ」という点でしょうか。
BA型はあまり低音が出ない物が多いのですがWestone3はかなり出ます。
全体的に柔らかめ(ぼやけ気味?)に感じますが(相反するようですが)解像度が高く一つ一つの楽器の音が丁寧に鳴るため非常に聞きやすいという点が印象的です。
こもってる、とかはなく補聴器メーカらしく耳に負担を掛けない音作りをしている様に感じます。
また、小音量でも低域や高域の不足感を感じないため音量をそれほど上げなくとも聞いてられる、まさに超バランスイヤホン、のような存在です。
(これが不思議で音量を上げると低音と高音が控えめになるように聞こえます。このため音量を上げてもそれほどうるさくならないという変わった特徴を持っています。耳にヤサシイ)
この音は1万程度のイヤホンでは出せないでしょう。
派手な音色や響きは控えめですが、上品な音で長時間聞いていたい場合にはもってこいです。

欠点はやはりケーブル関連です。
取り回し優先のせいか、ケーブルがかなり細く華奢なイメージを受けます。
実際にはぐねぐね曲げてもなんともない、頑丈なケーブルですがぱっとみた印象では「切れそう・・・」というイメージがあります。
細くても交換できれば良かったのですが、残念ながら本モデルではリケーブル出来ずケーブル交換は出来ません。
また本機はSHURE掛けで装着しますが、ケーブルのY分岐部分からの長さが短く人によっては耳に付けにくいと感じると思います。(実際自分も結構付けにくいと感じました)

中古価格は1万程度でかなりお安いです。
ただ前述の通り、ケーブルが華奢なので少し不安はあります。
特徴から年配の方なんかがオススメになるんでしょうか。
個人的には上品過ぎてちょっと物足りなさを感じる部分がありました。(←手放した理由)

イヤホン紹介(2) ATH-CK100PRO

続いて2番手はオーディオテクニカのATH-CK100PROです。
CK10をずっと使っていて正当な後継機を聞いてみたい!と思い購入した記憶があります。
残念ながら現在は手元にないため、写真も残ってません。ごめんなさい。

型式 バランスド・アーマチュア型
出力音圧レベル 109dB/mW
再生周波数帯域 20~18,000Hz
最大入力 3mW
インピーダンス 39Ω
発売:2011年11月

スペック的にはCK10よりも再生帯域が広がり、インピーダンスが下がった感じです。
再生ユニットはBA×3で低域・中域・高域の3つそれぞれが担当しています。
当時はトリプルBAは珍しく、ハイエンドイヤホンの象徴でした。

店頭で(たしかeイヤホンだったとおもいます)視聴した時に、その音に衝撃を受けて他のイヤホンをまったく聞かずに購入しました。それくらい音質は衝撃的で感動した記憶があります。
(一聴して笑いが出そうになったイヤホンです。あまりここまで感動するものは無いですが・・・)
高音の響き(伸び)、音場、ボーカルの艶やかさ、低音の張りなどどれを聞いても納得できる音作りで購入してかなり長い間使っていました。
特にバイオリンやチェロのような弦楽器の響きが素晴らしく、音楽を楽しむという点では惚れ込むような音がします。特性的にはモニターライクとも言えなくもないですが、個人的には音楽的な鳴り方も楽しめるイヤホンだと感じました。
少し低音が薄いですが、あまり気になりません。
装着が少しやりにくいですが、付けてしまえば遮音性も良く重さも気になりません。

欠点が全然ないのかというとそうでもなく、トリプルBAのせいか本体が大きく長時間の装着は少し疲れます。風きり音も少しあります。
また断線対策にリケーブル出来るようにケーブルが交換できるのは好感が持てるのですが、接続方法が本機専用でSHUREの様な共通交換が出来ません。音的な変化を楽しめるようリケーブルが他社と共通だったら良かったんですが・・・無理すれば自作も出来なくは無いですが(一応MMCXなので)ハードルは高いです。
一応Null Audioからリケーブル製品はありますが、高額なせいか交換したようなレビューも見当たりません。

とまぁ、ケーブル以外の欠点は見当たらない優等生ですが・・・結局手放します。
上には上があるんですね・・・オーディオは奥が(闇が)深いです(?)

イヤホン紹介(1) ATH-CK10

前回の更新から1年以上経ってしまいました。
またぼちぼちと更新していきます。宜しければお付き合い下さいませ。
LV1.0のネタはまだありますが(既にLV2.0とかも出てますが)こちらはちょっと休憩。
しばらくオーディオネタでイヤホンやDAPの紹介をしていきたいと思います。

まずはトップバッターはオーディオテクニカのATH-CK10です。
製品自体はかなり古く発売は2007年の12月です。


型式:バランスド・アーマチュア型
出力音圧レベル:107dB/mW
インピーダンス:55Ω
再生周波数帯域:20Hz〜15kHz
最大入力:3mW

特徴はこの大きさでデュアルBA搭載していて非常に軽い事です。
装着感も良好です。長時間付けていても耳が痛くなりません。
小さいので風きり音もほとんどしません。
(写真のはイヤーチップをコンプライに変えてあります。標準は普通のシリコンピースです)
スペック面から見るとインピーダンスが55Ωと高めなので、ホワイトノイズが出にくい利点もあります。

肝心の音は高域の伸びがよく、音場がかなり広いです。
解像度も高く、年期を感じさせないバランスのいい音が鳴ります。
低音は控えめです。中音域もすこし控えめ。


個人的にこの音場の広さがお気に入りです。
この価格帯でここまで広いイヤホンあんまり無いでしょう。

自分の場合、買い替えスパンが短いので(たぶん・・)イヤホンは割と中古売りや知人に譲ったりなどで古いものは残ってない事が多いのですが、 このCK10は手放さずずっと持っています。

高域と音場を求める人にはお勧めです。
中古だと1万前半で購入出来る事が多いようです(2015/6現在)